基地内住宅描いたつぼ見つかる 50年代の風景 沖縄フォート、新聞博物館へ


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嘉手納基地の住宅建設の様子が描かれたつぼ

 米軍嘉手納基地内の住宅建設が進められた1950年代初めごろを描いたとみられるつぼが見つかり、沖縄フォート社長の塩浜渡さん(46)=那覇市=が29日、つぼを琉球新報新聞博物館に寄贈した。つぼには「KADENA OKINAWA SUMIDA KENSETSU(嘉手納 沖縄 すみだ 建設)」と記載。51~52年ごろ、嘉手納基地内の住宅建設の記録写真が研究者を通じて沖縄市に寄贈されたばかり。つぼにはバショウの木や平屋の住宅が全面に描かれ、写真に写った当時の米軍住宅の様子とそっくりに描かれている。

 立命館大学文学部教員の加藤政洋さんが今月、旧越来村(現沖縄市)森根地区の住宅建設工事の様子を写した写真を沖縄市に寄贈したが、撮影した業者は「隅田建設工業」だった。つぼに記された「すみだ建設」は、工事を請け負い、記録写真を撮った「隅田建設工業」と同一と推測される。

 塩浜 渡さん

 つぼの下部には「To Completion of 275 Family Dwellings」(完成する275家族住宅)とも書かれており、家族住宅の完成記念で作成された65年以上前の品とみられる。

 つぼは塩浜さんの父親が25~30年前に県内の美術品交換会で手に入れ、保管。塩浜さんは琉球新報などの報道でつぼがあったことを思い出し、寄贈を決めた。塩浜さんは「ぜひ目に見えるところに飾って、活用していただきたい」と語った。琉球新報新聞博物館で近く展示する。