【南風原】琉球絣(かすり)と南風原花織の産地である南風原町で、工房の2代目と3代目の3人が「NUNUSAAA(ぬぬさー)」と名付けたユニットを立ち上げ、絣や花織の魅力を発信し、人とのつながりを広げる試みを始めている。漢字で書くと「布人」。作品そのものよりも作り手や作業工程などの背景に焦点を当てる発想で、インスタグラムなどのSNS(会員制交流サイト)やイベントなどでの情報発信に力を注いでいる。
メンバーは大城拓也さん(43)、大城美枝子さん(53)、大城幸司さん(36)。それぞれの工房で伝統的な絣や花織を継承する一方、ストールなど着物を着る機会が少ない人にも取り入れやすい作品作りにも取り組んでいる。
町商工会の町地域ブランド構築・展開プロジェクトの一環で、事業プロデューサーの江副直樹さん(61)から情報発信や商品開発のアドバイスを受ける。
幸司さんは「これだけ物が氾濫している社会では、PRせず売れるのを待っていては駄目だ」と語る。
3月に立ち上げたホームページで掲載されるのは、3人のさまざまな表情を収めた写真やインタビュー。5月開設のインスタグラムでは、完成した作品のほか、図案製作や糸の染色、織りなどの作業工程の写真が掲載されている。生き生きとした手仕事の魅力が写真一枚一枚からにじみ出る。
「産地の南風原でも、琉球絣や南風原花織を一度も身に着けたことのない人は多く、知名度も全国的には低い」と語る美枝子さん。以前から、商品開発に加えて情報発信の必要性を感じていたという。
拓也さんは「検索でヒットすれば、織りと全く新しい物が結びつくかもしれない。情報発信はいろんな人と関わるための手段だ」と、新商品誕生のきっかけとなる、新しい人との出会いにも期待を込める。
今後ホームページの内容を充実させ、全国各地のイベントなどに積極的に参加していく予定。公式ホームページのURLはhttp://www.nunusaaa.ryukyu/。インスタグラムのアカウント名はnunusaaa_official
(半嶺わかな)