米統治下の沖縄で米軍の圧政と戦った政治家、瀬長亀次郎さん(1907~2001年)のドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」(佐古忠彦監督)の上映が8月12日に始まってから、那覇市の桜坂劇場では連日、長蛇の列ができている。映画の最後には大きな拍手が観客から湧き起こる。沖縄市や東京での上映にも大勢の観客が詰め掛けており、不屈の精神で圧政に立ち向かった瀬長さんへの共感が広がっている。
就職活動中の大学生は「自分の意見をきちんと持って素直に相手に伝えなければいけないと思った。瀬長さんのような人になりたい」と語った。
26日には東京でも公開。渋谷にある映画館「ユーロスペース」では、初日から長蛇の列を作った。28、29の両日、沖縄市民小劇場あしびなーでも上映され、1618人が訪れた。
佐古監督は「さまざまな立場の人が瀬長亀次郎に共感し、今の沖縄を見詰め、瀬長さんを求めているような気がする。沖縄の戦後を全国の人に知ってもらいたい」と話した。
桜坂劇場を運営するクランクの下地久美子さんは「多い時で300人以上が来ている。シルバー世代から20代、家族連れまで、多くの人が見に訪れる」と驚きを隠せない様子だった。
9月16日から大阪、神戸、23日から名古屋、仙台で上映し、10月には札幌でも上映を予定している。(金城実倫)