【ブラジル】歴史凝縮の芸能披露 100周年祝賀芸能祭


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 移民100周年記念祝典後、午後2時半ごろから「島の情き~心繋ぎ100周年」と題した祝賀芸能祭(同実行委員会主催)が開かれた。約300人が出演し、琉球時代からの歴史を凝縮したかのような壮大な琉球芸能の演目が次々と披露された。

「汗水節」を踊る農園労働者ら

 第1部は白衣姿の神女らが霧の中、「神々の舞」で祈りを先祖にささげ、真っ暗になった会場の入り口から子供たち約30人を連れてミルク神が入場、大人たちによる稲しり節で「豊年祭」が行われた。続いて、かぎやで風節、鳩間節と夏姿で伝統芸能を表現した。

 第2部では「移民」をテーマにしたアトラクションが展開された。家族が別れを惜しむ場面や、船上での場面をはじめ、ブラジル移民後、祭りや農園で労働に明け暮れる移民らの日々を「ハワイ節」「だんじゅかりゆし」「オーアブレ・アラス」「汗水節」「懐かしき故郷」で表現していた。

 突然、飛行機のエンジンや爆撃機の音が鳴り響く中、農園労働者たちはおびえて舞台を去って行くという「第2次世界大戦」を描く場面もあった。

 民謡の屋嘉節が奏でられ、琉球國祭り太鼓が「時を超え」を舞った。そして「平和」を象徴するかのように「花は咲く」と「故郷」の合唱があった。小禄バンドによる「瀧落とし」「あしびなー」、レキオス芸能同好会エイサー太鼓による「ちばりよー節」「マーカイガ」「エイサー節」や民謡の「島唄」で「繁盛・希望」が披露された。ソーシャルダンスのパフォーマンス、BEGINの「島人ぬ宝」をもとに斉藤悟さんが振り付けした創作舞踊のパフォーマンスもあった。最後はカチャーシーで締めくくり、会場は千人以上の出席者であふれかえっていた。

 実行委員会として、那覇市の研修生として沖縄へ派遣された若者たちの姿もあった。舞踊の指導や監修は、玉城流玉扇会城間和枝琉舞道場の城間和枝さんが行い、演出や台本は斉藤悟さんが担当した。
 (城間セルソ明秀通信員)