沖縄写す2作品に賞 浜さん最高、豊里さん新人


この記事を書いた人 琉球新報社

 プロとアマチュアの写真家を対象にした神奈川県相模原市の総合写真祭「フォトシティさがみはら2017」の受賞者が8月25日に決まり、プロの部最高賞に当たる「さがみはら写真賞」に、写真家の浜昇さん(70)=東京都=の「沖縄という名」(ソリレス書店)が輝いた。プロの部のさがみはら写真新人奨励賞は写真家の豊里友行さん(40)=沖縄市=の「オキナワンブルー」(未来社)が受賞した。

 浜さんの受賞作は、ほとんどが沖縄が復帰した1972年から95年までの間に撮影されたもので、人、自然、街などさまざまな沖縄を描いている。審査員の伊藤俊治東京芸術大学教授は「時代とともに移り変わる沖縄と作者の位相を味わい深く写しとめたシリーズ」と評価している。

浜昇さん

 浜さんは「記録という部分、活動そのものを評価していただけてうれしい。これまで沖縄と日本の関係を考えてきた。沖縄は奥深く、撮っても撮っても終わることがない。今後は、日本の近代は何なのかをテーマにしたい」と述べた。

浜昇「沖縄という名」から
豊里友行さん

 豊里さんの作品は辺野古新基地建設への市民の抗議運動などを撮影した。豊里さんは「沖縄の不条理な現状を、本土の人たちにも伝えたいという気持ちで出版した。今回、編集の過程で新しい方向性を見いだしてもらえた。評価されうれしい」と素直に喜びを語った。

豊里友行「オキナワンブルー」から