宮城 久緒 
９月５日から写真家・石川真生さんの写真展「大琉球写真絵巻パート１～４」が那覇市久茂地の那覇市民ギャラリーで始まった。同日行われたギャラリートークでは、石川さんが写真を解説し、「今、ネットでは『基地反対運動はよそ者が多い』など誹謗（ひぼう）中傷があるが、生活の中で訴えている人たちがいる。それを沖縄の人がちゃんと示さないといけないと思った」などと熱く語った。
「大琉球写真絵巻」は、辺野古新基地建設を押し進める政府に怒りを抱いた石川さんが、２０１３年から撮影を始めた。沖縄の歴史的場面を友人、知人らが演じ、それらの場面を一連の写真として展示する企画。
展示４年目の今年、２３点が新たに加わった。昨年までと異なるのは、日常生活の中で人々が感じる思いを写したり、表現したりした作品が多いことだ。「みんな普通の人。過激でも何でもない」。キャンプシュワブのゲート前で辺野古反対を訴える若い女性の写真の隣には、家で家事をする夫や子どもたちの日常風景を写した写真を展示した。石川さんは「みんな、ゲート前の運動しか撮影しないが、私はそれを支える家族も撮りたかった」と聴衆に語った。家族そろって正月料理を食べる机の回りを、機動隊員に扮（ふん）した男たちが囲む写真。「いくら暴力を使っても僕たちから笑顔や愛を奪えない」という思いを形にした。
石川さんは「パート４」の撮影の途中でがんが見つかり、病を押して撮影に臨んだ。手術を終え経過は良好で、今後、パート５も考えている。
展示は１０日まで。午前１０時～午後７時。（最終日のみ午後４時まで）入場無料。石川さんは毎日会場にいる予定。【琉球新報電子版】
英文へ→Mao Ishikawa’s Great Ryukyu Photo Scroll parts 1-4 exhibition opens with new pieces in Naha
