伝統継ぐ迫力の演舞、雨吹き飛ばす 沖縄市の全島エイサー、会場熱気


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 「エイサーのまち」沖縄市に、迫力ある太鼓と軽快な三線の音色が鳴り響いた。第62回沖縄全島エイサーまつり中日の「第39回沖縄市青年まつり」に市内外から集結した14団体は、それぞれの個性あふれる勇壮な演舞を披露。出演者や拍手を送る観客たちの熱気は、時折降る激しい雨を吹き飛ばし、会場中を包み込んだ。

勇壮に演舞する諸見里青年会=16日、沖縄市のコザ運動公園陸上競技場

 祭りは空手の形を取り入れ、腰の入った手踊りが特徴の沖縄市安慶田青年会で幕を開けた。各青年会は伝統を受け継いだ三線の音色や地謡(じかた)の歌声、大太鼓と締太鼓の迫力ある音で来場者を魅了し、観客も盛大な拍手と指笛で応えた。

 友人と浴衣姿で来場した饒波花梨さん(16)=沖縄市=は「地域によって音楽やリズムが違い面白かった」と満足げ。嘉間良青年会で舞を披露した知名星玲菜さん(16)=同=は「たくさん観客がいて緊張したけど楽しかった」と笑顔を見せた。

 トリを務めたのは設立から69年の伝統を持ち、男性のみの力強い舞を見せる沖縄市山里青年会。午後8時すぎ、「豊節」に合わせ、ぴたりと合ったバチさばきと大きなフェーシ(囃子(はやし))で登場した。横殴りの雨を物ともせず、演舞場を目一杯に使った演出で「久高節」や「テンヨー節」など9曲を切れ目なく堂々と踊り切った。

 最後は「唐船ドーイ」で観客と出演者が一体となり、カチャーシーを楽しんだ。フィナーレでは、華麗なレーザーショーが会場をさらに盛り上げ、17日の最終日に向けて熱気を高めた。