【国頭】本島北部のやんばるにのみ生息する国の天然記念物のヤンバルテナガコガネや希少種のオキナワマルバネクワガタの密猟を阻止しようと、ヤンバルテナガコガネ密猟防止協議会は15日、国頭、大宜味、東のやんばる3村の夜間パトロールを実施した。
密猟防止協議会は、環境省や地元自治体、警察など20の機関で構成する。約40人が六つのグループに分かれて、3村の林道をパトロールした。
やんばるにのみ生息する希少種は密猟の横行で絶滅が危ぶまれている。成虫が木の幹から外に出てくる毎年9月ごろには、林道の利用者が増加する傾向にあり、各グループが密猟とみられる不審な人物や車がいないか、林道を車で走行した。また、密猟者はテナガコガネがすみかとする木の穴まで登ることから、くぎを打ち付けた跡がないか、木の幹などを確認した。
種の保存法で指定されているヤンバルテナガコガネやオキナワマルバネクワガタなど希少種の捕獲、譲渡、販売は禁止されている。違法者は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科される。
環境省やんばる野生生物保護センターの山本以智人自然保護官は「やんばるの森は今後、世界自然遺産を目指しており、希少種の捕獲は禁止されている。地域ぐるみでパトロールをして密猟防止につなげていきたい」と述べた。