嘉手納降下訓練「住民軽視に憤り」 副知事、日米へ抗議


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米軍が嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を強行したことで、大野敬太郎政務官(左)に抗議する富川盛武副知事=22日午後3時すぎ、防衛省

 【東京】県の富川盛武副知事は22日上京し、米軍が日米特別行動委員会(SACO)合意に違反する形で21日に嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行したとして、防衛省など日米両政府に「SACO最終報告の趣旨や地域住民を軽視するものであり、強い憤りを禁じ得ない」と抗議した。同時に嘉手納基地で同訓練を実施しないよう米側に働き掛けるよう求めた。また、どのような場合に日本政府が嘉手納基地での同訓練を認める「例外的」に当たるのか定義を提示するよう求めた。

 抗議文では県などの抗議を無視し続ける米軍への不信感がこれまで以上に高まっているとして「今後の嘉手納基地の使用、ひいては日米安全保障体制に影響を与える」として、嘉手納基地の撤去運動も示唆した。
 同訓練を巡り、県が上京して直接政府に抗議するのは7月以来で、ことし2回目。県は7月の抗議で、8月の日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で議題に取り上げるよう要求した。
 小野寺五典防衛相と河野太郎外相は会議で言及したが、共同発表には盛り込まれなかった。そのため、富川氏は「正式な議題としてしっかりと議論が行われなかったことが原因であると考えざるを得ない」と指摘した。
 防衛省で対応した大野敬太郎政務官は「これからも抗議、米軍にも申し入れをして今後最終合意に基づいた訓練を行われるよう努力したい」と応じた。