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南カリフォルニアの日系人にとって何が必要か―。名護市出身の実業家、岸本正之さん(83)は8日、米カリフォルニア州・パロスバーデス市にある自宅で、カリフォルニア州下院議員のアル・ムラツチさんを招いて懇親会を開いた。懇親会には20人が参加。トランプ米大統領の政策はカリフォルニア州や米国にどのような変化をもたらすのか、われわれは今後どのような信念を持てばいいのかなどをテーマに意見交換した。
ムラツチさんは民主党員で、ロサンゼルスの隣接都市トーランス市をはじめガーデナ市などサウスベイ(南海岸地区)から選出された沖縄生まれの県系3世。カリフォルニア州の日系人、アジア系米国人、少数民族などマイノリティーの代表的存在であることを標ぼうする。
懇親会でムラツチさんはカリフォルニア州について、IT産業のメッカであるシリコンバレーや肥沃で広大な農業地帯を有し、米国50州の中で、GDP(国内総生産)が最も大きいと説明。州単独のGDPはフランスよりも大きいとした。また、教育面でもカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア工科大、スタンフォード大など世界に通用する一流大学が立地し、教育環境にも恵まれていると力説した。
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岸本さんは、ハワイ州選出の連邦上院議員、故ダニエル・イノウエさんが上院議長を務め、大統領継承順位第3位まで上り詰めたことを紹介。さらにカリフォルニア州サンノゼ出身の連邦下院議員で、ジョージ・ブッシュ政権(共和党)の運輸長官、ビル・クリントン政権の商務長官を歴任し、卓越した日系人指導者のノーマン・ミネタさんを例に挙げ、「ムラツチさんに大いに期待したい」と語った。これに対し、ムラツチさんは「期待に応えることが出来るよう努力する」と語り、出席者の喝采を浴びた。
岸本さんは琉球大英文科を卒業後、フルブライト米国費留学生として渡米し、メリーランド大学大学院で高等教育行政学を学び、日本航空に勤務。退職後、岸本ファミリーインターナショナル社を創立、2007年に個人慈善基金を創設し、発展途上国への食糧支援や自然保護活動などに取り組んでいる。2017年には書籍「地球政府・地球市民教育の義務化」を出版した実業家である。妻は多摩子さん。(当銘貞夫通信員)