仲地リカルドさん/一族で墓参り
【本部】本部町出身の仲地平次郎さんの息子でフィリピン残留日本人2世の仲地リカルドさん(83)は27日、本部町を訪れ祖父にあたる仲地平太郎さんや、いとこの仲地宗五郎さんの遺骨が眠る墓をお参りした。
リカルドさんは、いとこの息子である仲地宗和さん(68)の隣に座り、墓前に線香を供えて手を合わせた。何度か宗和さんの手を握り「父の亡きがらは、どこにあるか分からない。父のふるさとに来ることを諦めていなかった。親戚の皆さんや、家族に会うために長生きさせてもらった」と語りかけた。リカルドさんの父・平次郎さんは、戦時中にフィリピンで亡くなった。宗和さんは「こういう形で会えるのは奇跡。父親もじいちゃんも喜んでいる」と語った。
墓参りの後は、父・平次郎さんの生まれ育った実家で親族らと触れ合った。リカルドさんのいとこにあたる湧川菊さん(86)は「会えてうれしい。顔が似ているからやっぱり血がつながっているなと思う」と笑顔で話した。
岸本ヤス子さん/父の母校訪問
【名護】フィリピン残留日本人2世の岸本ヤス子さん(80)は27日午後、父親の伊祐さんが卒業した名護小学校を訪れた。ことし創立135年を迎える同小の100周年記念誌で、明治35年(1902年)卒業の名簿欄に父親の名前があることの説明を受けた。
親族はまだ見つかっていないが「父が過ごした学校に来られただけでも満足」と笑顔を見せた。
同日午前には、名護市役所で稲嶺進名護市長と面会。岸本さんは「一度でいいから父の出身地に来てみたかった」と話し、涙ぐんだ。
面会後、岸本さんはハワイにいる父方のいとこ(96)とも電話で話した。その弟もハワイに住んでいることが分かり、岸本さんは「ハワイに岸本家が見つかってうれしい。会えるか分からないが幸せだ」とほほ笑んだ。
「戦争で父と離れ離れになり、全てをなくしたが、あの時の経験があったからこそ戦争を繰り返してはならないと思う。沖縄で親戚は見つかっていないが、大きな収穫があった」と満足げに語った。