島の民俗芸能、脈々と伝承 多良間・豊年祭「八月踊り」


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組踊「忠臣仲宗根豊見親組」の一場面。与那国島の鬼虎を討って宮古に戻る仲宗根豊見親(右)と美人姉妹らの物語だ=27日、多良間村仲筋の土原御願所

 【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定される沖縄県多良間村の豊年祭「八月踊り」が旧暦8月8日の27日、始まった。初日は同村仲筋の土原(んたばる)御願所で組通り「忠臣仲宗根豊見親組(ちゅうしんなかそねとぅゆみやぐみ)」など24演目が奉納された。県内外から多くの見物客が訪れ、脈々と受け継がれてきた民俗芸能の数々を堪能した。29日まで。

 「忠臣―」は16世紀に宮古を治めた仲宗根豊見親が、首里の尚真王の命を受け与那国島の鬼虎を討伐する物語。多良間でのみ演じられている。鬼虎を惑わすため宮古の砂川村から派遣された美人姉妹、オーガマを演じた下里麻斗(まと)さん(15)=多良間中3年=は2年連続の出演だ。下里さんは「八月踊りは多良間島の誇りだ。少しミスもあったけど去年よりうまく演じられた」と語った。

 八月踊りは人頭税の皆納を祝い、翌年の豊作を祈願したのが始まりとされる。28日は同村塩川のピトゥマタ御願所で、最終日の29日は「別れ」と称して両地域で芸能を奉納する。