【南城】1979年3月創業の沖縄県南城市佐敷津波古の「レストラン カイヤン」が区画整理に伴う立ち退きで8月末、一時閉店した。2018年秋以降をめどに、拡張された道路沿いに店を改築してリニューアルオープンする。地域住民にとってはなじみの場所で、長年愛されていた。父・福増俊夫さん(76)から店を引き継いだ俊則さん(47)は「来てくれた人たちに、ありがとうと伝えたい」と語った。来年、再び顧客と会えることを楽しみにしている。
9月上旬、昼食を取ろうと「カイヤン」を訪れた南城市の男性(58)は、電気の消えた店を見て閉店していることに気付いた。「よく来ていたが、閉店するとは気付かなかった。しばらくの間、寂しいな」と小さな声で話した。
「閉店を残念がってくれるお客さんがたくさんいる。感謝しかない」と話すのは俊則さんの妻・千恵美さん(49)。調理から配膳までこなした。「私が嫁いでくる前のことは、昔からの常連さんが教えてくれた」という。創業当時はペットショップに釣り堀、卓球場まで併設していたという。俊則さんも「味付けのアドバイスもお客さんからたくさんもらった」と話し、地域に根付いた店の歴史を感じさせた。
長年店を支えてきた常連さんは高齢者が多い。そのため改築後の店内には、車いすでもテーブルに付きやすいボックス席を設けるほか、模合の時に利用しやすいよう個室も増やす予定だ。俊則さんは「しばらくお休みだけど、またお客さんに会える日を楽しみにしている」と話した。