「反戦運動は偽物」FM番組で中傷、差別発言 局、出演者に改善要求も


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 県内のコミュニティーFM放送局5局で放送されている番組「沖縄防衛情報局」で「沖縄の反戦平和運動はほとんどが偽物で、革命運動をカムフラージュするもの」「朝鮮人や中国人は平気でうそをつく」など、事実誤認や人種差別的な発言が放送されていたことが分かった。放送局のうち沖縄市の「沖縄ラジオ」が運営する「オキラジ」は、出演者に対し事実に基づかない発言や差別的発言をしないよう文書で求めた。出演者は各局に対し「放送倫理にのっとった放送をする」との誓約書を提出した。

 放送局はオキラジのほか、ぎのわんシティFM(宜野湾市)、FMもとぶ(本部町)、FMレキオ(那覇市)、FM21(浦添市)。「応用心理カウンセラー」我那覇隆裕さんと「琉球新報・沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表の我那覇真子さんらが出演し、各局で週1回、1時間の枠を買い取って放送している。

 オキラジの7月31日の放送では「(韓国は)良い行いをしてきた遺伝子は全て絶たれた」と発言した。

 8月21日には、反戦運動に参加している人を念頭に「基地反対していれば法律を破ってもなんでもOK」「頭の中が戦争状態だから、人に襲いかかるし、リンチとかも平気でやるし、うそも平気でつく」と話した。

 28日にFM21、FMレキオ、FMもとぶで同時放送された際は「朝鮮、中国人は平気でうそをつく」「従軍慰安婦、強制連行という、うそを言っている」などと主張した。

 我那覇隆裕・真子さんらは9月20日、宜野湾市のコミュニティーFM・ぎのわんシティFMの番組「沖縄防衛情報局」に出演。番組終了後、本紙の取材に対し、隆裕さんはぎのわんシティーFMの社員を通じ「取材は受けない」とした。