【アメリカ】北米県人会「敬老感謝の日」 沖縄芸能で長寿祝う


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 日本では9月の第三月曜日を「敬老の日」として、祝日になっている。北米沖縄県人会(エディー・カミヤ会長)でも9月10日、米カリフォルニア州ガーデナ市の日系人会館で「敬老感謝の日」と題して長寿を祝うイベントを開き、約200人が出席した。80歳以上の県人会会員を招待し、沖縄伝統芸能などに楽しんでもらう同イベントは開始から10年ほどになる。

ギター演奏を披露したブランドン・イングさん=9月10日、米カリフォルニア州ガーデナ市の日系人会館

 イベントでは、沖縄舞踊をはじめ、民謡、琉球國祭り太鼓の演舞、グループ・個人によるカラオケなどが次々と披露された。ハワイから特別招待された歌手のブランドン・イングさん(34)がギターの調べとともに多くの沖縄民謡を歌い、観客を大いに喜ばせた。

 ブランドンさんは4世で、母親がハワイの県系、父親は中国系だ。現在、ハワイで小学校教師の傍ら、休日を利用して沖縄民謡愛好家として各地で演奏活動をしている。昨年10月に沖縄で開催された「第6回世界のウチナーンチュ大会」のプレパフォーマンスでも演奏した。

 イベントでは、今年で90歳になった8人に認定証と花束が贈られた。その中に劇作家のジョン・城田さんの姿もあった。城田さんはハワイ生まれの沖縄系2世で、「ラッキーカム・ハワイ」でジョンF・ケネディ賞を受賞した。「レイラニのハイビスカス」「ボイシズフロム・オキナワ(沖縄からの声)」などの作品は舞台上演され、沖縄やハワイで好評を得た。そして作品のほとんどを名桜大学学長の山里勝己さんが日本語訳をして発表している。

劇作家のジョン・城田さん(左から4人目)をはじめ、花束と認定証が贈られた今年90歳になった北米沖縄県人会の会員ら=9月10日、米カリフォルニア州ガーデナ市の日系人会館

 日本では「敬老の日」は「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」として、連休となる。米国でも9月の第1月曜日の「レイバー・デー」(労働者の日)の翌日曜日を「グランド・ペアレンツ・デー」(祖父母の日)としている。ただ、この日に祖父母に感謝し、家族で食事をする習慣はあるが、レイバー・デーのように祝日ではない。近年、南カリフォルニアの日系人社会では、県人会などが中心になって「敬老の日」を祝うようになっている。(当銘貞夫通信員)