戦超え息づく沖縄芝居 衣装、写真で復興紹介 県平和資料館特別企画展


この記事を書いた人 大森 茂夫
終戦直後に米軍の食糧袋を利用して作られた舞台衣装=5日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館

 沖縄県平和祈念資料館の特別企画展「戦世(いくさゆ)と沖縄(うちなー)芝居~夢(いみ)に見る沖縄 元姿(むとぅしがた)やしが~」が5日、糸満市の同館で始まった。戦前、戦中の文化統制や戦後の沖縄芸能の復興について当時の新聞記事や写真、衣装などを通して紹介している。入場無料。12月10日まで。

 文化などのアイデンティティーの尊重や表現の自由が平和な社会につながることを再認識しようと企画された。戦時色が濃くなるにつれ、沖縄芝居でもうちなーぐちが禁じられたことなどを紹介している。琉球新報の連載「焦土に咲いた花」も参考にした。

 戦争で傷ついた人々を慰問するために沖縄民政府が設立した竹劇団の平良良勝(りょうしょう)団長の衣装も展示している。米軍の食糧袋をマラリアの薬で染め、紅型のような図柄を描いている。

 企画展を担当した渡邊尚子さん(48)は「沖縄芝居には郷土の文化が凝縮され、人々が大切に守ってきたことを若い人にも感じてほしい。平和の大切さを考える機会になればいい」と話した。見学した良勝さんの息子敏さん(81)は「戦後の芸能発祥の地であるうるま市に、芸能の資料館ができたらいい」と話した。

 関連催事として29日午後2時から同館で浦添市立港川小学校、県立南風原高校の児童生徒が劇や舞踊を上演する。企画展は来年1月20日から2月22日まで石垣市の八重山平和祈念館でも開かれる。問い合わせは県平和祈念資料館(電話)098(997)3844。

英文へ→Special exhibit showcasing the revitalization of Okinawan theater, fashion, and photography on display at Prefectural Peace Memorial Museum