県立芸術大学音楽学部4年生の糸村葵さん(22)=豊見城市=が、9月24日に東京で開かれた「第9回東京国際声楽コンクール」の大学生の部で、3位に輝いた。本年度の大学生の部では1位該当者がおらず、実質全国2位となった。糸村さんは「県芸を全国にアピールできてうれしい」と喜んでいる。
糸村さんがコンクールで披露したのはR・シュトラウス作曲の「夜に」と、V・ベッリーニ作曲の「オペラ『清教徒』あなたの優しい声に」の2曲で、歌の技術が評価された。いずれも発音や音色で技術が求められる曲だが、指導する松田奈緒美准教授と共に、練習に励んできた。
大学生の部には122人が参加した。本戦出場者は東京の芸術大や有名音大の学生がほとんどだったという。糸村さんは全国規模の大会出場は初めてだったが、気後れしないように「レッスン通りの力を出し切るよう、精神統一した」と振り返った。宿泊先では湿度にも気を遣い、のどの調子を整えることにも注力した。伴奏は県芸3年の照屋恵悟さん(21)が務めた。照屋さんは「雰囲気に飲まれないように、自然な演奏を心掛けた」と話した。
糸村さんは卒業後も、研究生として県芸に残る予定だ。「さらに技術をみがいて、大きなコンクールにも挑戦していきたい」と抱負を語った。