【アメリカ】敬老会、琉舞が花添える 米オレンジ郡日系協会


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華麗な琉舞で観客を魅了した宮城能松琉舞研究所の門下生のケイディーとカイラ・オゼキ姉妹=9月12日、米カリフォルニア州オレンジ郡アナハイムのオレンジ郡仏教会

 米カリフォルニア州のロサンゼルス郡とサンディエゴ郡の間に位置するオレンジ郡。1960年代までは、かんきつ類やイチゴが栽培されていた農業地帯であった。その後、住宅地として発展し、ショッピング・モールやオフィス街、「ディズニー・ランド」、遊園地の「ナッツベリー・ファーム」などが建設された。ジョン・ウェイン空港もでき、メジャー・リーグの「エンゼルス」が同郡アナハイムに本拠地を構え、日系人も多く住む所となっている。

 全米でも大都市となっている同郡に、1986年、オレンジ郡日系協会(藤田喜美子会長)が設立された。日系社会の中心として、コミュニティー・ソーシャルサービスを行っている。敬老感謝の集いと日本文化奨学金授与式が9月12日、アナハイムのオレンジ郡仏教会で開かれ、180人が参加した。集いは今年で28回目を迎えた。今年で80歳になった人を表彰、うち8人を敬老表彰した。日本文化継承者2人にも奨学金が授与された。奨学金受賞者のアトキンズ直樹さん(大学生)が得意の津軽三味線を、乗富香織さんが日本舞踊を披露し、観客を魅了した。

 余興の第1部ではこども童謡、日本舞踊、カラオケが披露された。宮城能松琉舞研究所の門下生も琉球舞踊を舞った。特にケイディーとカイラ・オゼキ姉妹による舞踊は、喝采を浴びていた。

 日系協会の会員である宮城さんは長年にわたりオレンジ郡に住み、イベントではボランティアで琉球舞踊や民謡を披露し、感謝されている。余興の最後はカチャーシーで締めくくった。宮城さんに基本の踊り方を教えてもらった参加者らがカチャーシーに興じていた。

 最後に基金募集のための抽選会が行われ、宮城さんが大型テレビを引き当てた。宮城さんは「幸運に恵まれ幸せです」と喜んだ。(当銘貞夫通信員)

オレンジ郡日系協会の「敬老感謝の集い」で奨学金を贈られた乗富香織さん(左から4人目)、アトキンズ直樹さん(同3人目)と、藤田喜美子会長(左から2人目)