「新基地建設絶対に許さない」 辺野古差し止め訴訟で知事が意見陳述


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名護市辺野古の新基地建設を巡り始まった5度目となる県と国の裁判闘争。国による無許可の岩礁破砕は違法として県は岩礁破砕の差し止めを訴え、国側は却下を求めた=10日午後3時、那覇地裁(代表撮影)

 名護市辺野古の新基地建設工事を巡り無許可の岩礁破砕は違法として、県が国を相手に岩礁破砕の差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日午後3時、那覇地裁(森鍵一裁判長)で開かれた。

 翁長雄志知事が法廷で意見陳述し「県民は今日まで誇りと尊厳を持って新基地建設反対という声を出し続けている」と強調。「知事として、辺野古に新基地を造ることなど絶対に許すことはできない」と訴えた。

 さらに「国は漁業関係法令の運用に関する見解を、辺野古案件のため恣意(しい)的にねじ曲げた」と批判。訴状陳述で県側は工事現場水域に漁業権が存在し、岩礁破砕工事をするには県知事に許可を得る必要があるなどと主張し国側の違法性を訴えた。一方、国側は訴えの内容が裁判所の審判対象外などとして県には法律上訴える権利そのものがなく不適法として請求の却下を求めた。

辺野古差し止め訴訟の第1回口頭弁論を前に支援集会であいさつする翁長雄志知事(手前左)=10日午後2時28分、那覇市の城岳公園

 意見陳述で翁長知事は「(破砕許可申請など)義務を履行しないまま工事を進める開き直りを、国が率先して行い、それに司法がお墨付きを与えてしまえば日本の法秩序はどうなってしまうのか、切実な危機感を持っている」とも述べ、裁判所の判断を期待した。

 開廷前には那覇地裁近くの公園で支援集会も開かれた。【琉球新報電子版】