平和な世 次世代へ なぐやけの碑 那覇市主催で初の慰霊祭


この記事を書いた人 琉球新報社
なぐやけの碑に向かい、焼香をする関係者ら=15日午後、那覇市若狭の旭ヶ丘公園

 那覇市戦没者追悼式(第22回なぐやけの碑慰霊祭)が15日、沖縄県那覇市若狭の旭ヶ丘公園内のなぐやけの碑の前で開かれた。市の主催では初めての慰霊祭。参列した約250人が戦争で亡くなった市出身者を悼み、平和を祈った。

 なぐやけの碑慰霊祭は、これまで市連合遺族会の主催だったが、遺族の高齢化などで今年から市の主催、遺族会の共催になった。碑には、市出身者を中心に2万9千人以上の犠牲者の名簿が納められている。

 市連合遺族会の瑞慶山良祐会長は「戦後はまだ終わっていない。戦争につながるいかなることも許さない」と決意を語った。城間幹子那覇市長は「大戦の記憶を風化させないようにしたい」と話した。

 市連合遺族会顧問の座喜味和則さん(90)は、防衛隊として動員され、学徒隊の弟を亡くした。碑の建立に携わった座喜味さんは、市の主催に感謝を述べ「若い人には平和な社会を引き継いでほしい」と次世代へ思いを託した。

 平和のメッセージを朗読した那覇中2年の友利楽(らん)さん(13)は「平和という合言葉を未来に受け継いでいきたい」と誓った。