翁長知事、新ヘリパッド3カ所「早急に使用中止を求めたい」 高江米軍ヘリ炎上 検証できないままの搬出「日米地位協定の改定案全てほご」


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高江米軍ヘリ炎上で県警の実質的な検証ができない状況に「県民の人権がなおざりにされている」と批判する翁長雄志知事=20日午前10時45分すぎ、県庁

 翁長雄志知事は20日の定例会見で、東村高江の米軍北部訓練場内の6カ所の新設のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)撤去に言及したことに関連し「心情的に6カ所の撤去を求めたい思いに変わりはないが、実現は現段階では大変厳しい。住宅地区に近いN4とH地区は地元要望も強く、県として早急に使用中止を求めていきたい」と述べた。

 6カ所のヘリパッド撤去の必要性を強調しつつも、当面の政府への要求では3カ所の使用中止を求めていく考えを示し、要求を後退させた格好だ。

 東村高江の米軍ヘリ炎上事故で、県警による実質的な現場検証ができないまま事故機の機体が搬出されていることには「県の日米地位協定の改定では、米軍財産が施設区域外にある場合は日本の当局が捜索、差し押さえ、検証する権利を明記すること、などを求めているが、これまでのいきさつでは全てほごにされている」と厳しく非難した。

 その上で「県民の人権がなおざりにされているのが日常的に行われているが、沖縄県でこの問題がとどまっている」と全国的な議論の必要性も訴えた。【琉球新報電子版】