[ココロ・カラダ不思議つながり]30 男か女か、どう決まる?


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Q.男か女か、どう決まる?

 

 今日の質問は、男の子になるのか、女の子になるのかはどうやって決まるのですか? です。中学1年生からです。

A.繊細に発達 だからみんな違う

 

 10月9日に、二つのDNAを合体して親と違う子どもをつくる話をしましたね。DNAを合体させるときには、まず、それぞれのDNAを半分にします。だから、命の元である卵子と精子は縦に半分に切れたDNAを持っていて、卵子と精子が合体すると1人分のDNAができます。

 人の身体はもともと男女ともに共通で、同じところから出発します。どちらかというと女性が基本形です。

 命のつくり方の手紙(DNA)に書いてある特徴の部分を遺伝子と言います。今分かっているだけで20以上の遺伝子が性別の発達に関わっています。

 例えば、もともと同じ基本形に精巣を作る命令を出す遺伝子が働くと精巣ができますが、命令が出なければ卵巣ができます。精巣ができると、そこで男の子に変化しなさいという命令を身体のいろいろなところに伝えるホルモンが作られます。ホルモンは、血管の中を血液と一緒に移動して、変化してほしい場所まで運ばれます。

 ただし、血液の中のホルモンの量は、学校のプールに落とした1ミリリットルのジュースくらいの少なさです。すごく少ない量で命令を出すので、命令の届き方が人によって違ったり、届かなかったりすることもあります。

 子宮、膣ができるか、あるいは輸精管ができるか、クリトリス、いんしんができるか、あるいはペニス、いんのうができるかは、精巣ができるか、あるいは卵巣ができるのかとは別に、それぞれ独立に起こっていることなのです。
 

 子宮の中だけでなく、思春期の身体の変化も含めて、それぞれの段階で複雑な因子が関係して人の性別に関わる身体の部分は発達していきます。だから一人一人顔が違うように、男の子の身体もいろいろ、女の子の身体もいろいろです。次回、関連するお話をしますね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

~ この連載が本になりました ~

ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)