ボクシング・大吾、県民の誇り 250人応援、勝利に歓喜


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比嘉大吾がTKO勝ちで初防衛を決め歓声を上げる沖縄からの応援団=22日、東京・両国国技館

 【東京】比嘉大吾の初防衛戦となった両国国技館には、沖縄から約250人が駆け付け、指笛などを交え声援を送った。台風の影響で応援団の規模は5月のタイトル戦より縮小したものの、変わらぬ熱気で比嘉を後押し、TKO勝ちに歓声を上げた。

 比嘉の父・等さん(48)は事前に、対戦相手があまり攻めず判定に持ち込むタイプのボクサーだと告げられていたという。「KOで倒すのは難しいかと思ったがやってくれた。おめでとうと声を掛けたい」とねぎらった。

 等さんのほか、比嘉の親戚も多く駆け付け「ボディーで攻めろ」などと、会場から大声でアドバイスを送った。5月に続き観戦した大叔父の比嘉深志さん(63)は「試合中はやっぱり、ひやひやしますね」とほっとした様子。試合後のインタビューに比嘉がはきはきと答えるのを見ながら「比嘉家の誇りです」と胸を張った。

 初防衛に成功し、師匠の具志堅用高さんが持つ連続防衛の日本記録(13回)への階段も上り始めた。出身地の浦添市比嘉大吾後援会の荷川取悟会長は「KOの山を積み上げてほしいが、本人のプレッシャーになりすぎないよう応援していきたい」と先を見据えた。

第二の故郷宮古、初防衛戦に熱狂/「島の駅」で60人観戦

比嘉大吾の勝利が決まった瞬間、喜びに沸く人々=22日、宮古島市平良の島の駅みやこ

 【宮古島】世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者・比嘉大吾=浦添市出身、宮古工業高卒=の初防衛に県内も沸いた。比嘉がボクシングを始めた宮古島市の「島の駅みやこ」には大型スクリーンが設置され、約60人が熱い声援を送った。県出身の浜田剛史氏らが持つ連続15KOに迫る劇的な14度目のKO勝利に会場は大盛り上がり。島は、再び揺れた。

 東京両国国技館の「大吾」コールに呼応して「島の駅―」でも大吾コールが巻き起こった。白井・具志堅スポーツジム宮古島応援会の長間誠作副会長は「最高だ。宮古の声援が両国へ届いたのではないか。次こそは沖縄で防衛戦をしてほしい」と声を弾ませた。

 比嘉の恩師で宮古工高ボクシング部の知念健次監督は、試合前日の21日に比嘉へ激励の電話をした。比嘉は「監督の攻めるスタイルを見せてきますね」と述べていた。知念監督は「1回から攻める姿勢を見せてくれた。ああいった戦い方は高校時代のスタイル、そのまんまだ。連続KO記録を塗り替えてほしい」と力を込めた。