高校野球の秋季九州大会(第141回九州大会)は23日、SOKKENスタジアムなどで試合を行い、2回戦で登場した沖縄尚学は8―0で伊万里(佐賀2位)を下し、準々決勝進出を決めた。1回戦の興南は2―1で宮崎日大(宮崎3位)を振り切り、2回戦へ駒を進めた。興南は24日午後2時から2回戦で東筑(福岡1位)と準々決勝進出を懸けて戦う。沖縄尚学は25日午前10時から創世館(長崎1位)と都城東(宮崎4位)との勝者と準々決勝で戦う。
◆知念 12奪三振で完封/九回、打者一巡5得点
2回戦から登場した沖縄尚学は投打で伊万里(佐賀2位)を上回り、準々決勝進出を決めた。投では先発した知念大成が9回を被安打3、12奪三振で完封。打線は九回に爆発し一挙5得点を奪うなど、計8点で完勝した。
直球に狙い球を絞っていた伊万里打線に対し、知念は変化球でカウントを取りながら、146キロの自己最速を記録した直球をコースに制球良く決めて、打線を黙らせた。
四回がこの日最大のピンチだった。1死から三塁打を打たれ、伊万里4番の梶山を迎えた。投球モーションに入った知念にベンチから「行った」と声が飛ぶ。足を上げた時には既に打者がスクイズの構えをしていた。とっさにボールを大きく外して、三塁走者を挟殺。その後、梶山からも三振も奪った。捕手の池間大智は「警戒していたので立つ準備はできていた。あの場面が勝負を左右した」と振り返った。
打つ方では、相手先発に疲れが見えてきた最終回に打者一巡の猛攻で5得点を挙げた。
2安打3打点と活躍した仲村琉希は「知念に助けられたので、得点を挙げられ安心した」と笑顔。一方、試合前半で得点できなかったことに、比嘉公也監督は「後半3イニングで得点を取れたのは良かったが、一巡目から相手を捉えてほしい」と注文も付けた。
準々決勝はセンバツ出場の目安となる4強を懸けた大事な一戦となる。比嘉監督は「どこが相手でも一球一球、沖尚らしい試合をする」と気を引き締める。先発した知念は「自分の投球と守備からリズムをつくって、攻撃につなげるようにしたい」と意気込んだ。(屋嘉部長将)
◆興南、初戦突破/藤木→宮城で逃げ切る
2015年、16年と続けて初戦で敗れていた興南が、継投で1点差を守り切り、2回戦に進んだ。我喜屋優監督は「3年目の正直で久々の1勝。一つ勝つというのは大きい」とほほを緩めるも「内容的にはもう少し点が取れた。勝ち気になっていたのでもっとリラックスしてやらないと」と採点は厳しかった。
初回に4番に座る捕手・比嘉龍之介の安打で先制。五回には死球での押し出しで追加点を挙げた。2点の援護を受けた先発藤木琉悠が好投した。ストレートと変化球を織り交ぜた投球で宮崎日大打線を翻弄(ほんろう)。特にカットボールの調子がよく、三振を積み重ねた。
七回に宮崎日大の4番伊藤に、真ん中高めに甘く入ったそのカットボールを右中間に運ばれ、1点差に詰め寄られた。その後も二塁打を浴びるも、後続を三振で切った。八回にエラーで出塁を許し、宮城大弥に変わると、宮城が残るアウト5つのうち、3奪三振で試合を締めた。
24日の東筑(福岡1位)戦は、藤木、宮城ら4投手の継投で臨む予定だ。藤木は「後ろには頼れるピッチャーがいるので最初から全力で挑みたい」と力を込めた。
(屋嘉部長将)