
瑞穂酒造(那覇市)は戦前の泡盛造りに使用されていた黒麹菌「イヌイタイプ」を復刻して製造した泡盛を、27日に開幕する第41回沖縄の産業まつりに合わせて発売する。マツタケやマッシュルームなどキノコを連想する香りが多いのが特長となっている。
現在、泡盛製造に用いられている黒麹菌は「アワモリタイプ」などが中心となっている。イヌイタイプは戦前に使用されていたが、戦後は徐々に使われなくなったという。イヌイタイプが東京大の研究室で保管されていたことから、食品の技術支援を行うトロピカルテクノプラスと泡盛を研究する、むんなみ工房が安全性や酒造適性などを確認し、製品化につなげた。
イヌイタイプの繁殖を担当した石川種麹店の渡嘉敷正司副代表は「イヌイタイプを取り扱うのは初めてだったので最初は失敗が多かった。いいものを造ろうと思いながらやってきた」と振り返る。瑞穂酒造品質管理室の仲里彬主任は「戦前に使われていたイヌイタイプが広く普及して、泡盛のカテゴリーになってほしい」と期待した。
イヌイタイプで仕込んだ泡盛は原酒で販売する。アルコール度数53度、720ミリリットルで税込み2500円。