新基地、崩れる「適地性」 辺野古海底に活断層か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 陸上部に走る2本の断層、海底の急斜面、そして防衛庁(当時)も確認している海底の急な落ち込み。この三つが一つの線でつながった。辺野古新基地の予定地に活断層が走っている可能性が明らかになった。地理的優位性を根拠として政府は辺野古基地建設を進めてきたが、活断層があるとなれば、巨大基地を建設する場所としての適地性はなく、辺野古新基地は存在そのものが根底から崩れる。

 地震が起き、地盤がずれれば滑走路が破壊されるだけでなく、弾薬や燃料など基地内の有害物質が海や近隣集落に流れ、火災や汚染などの二次被害が起きる可能性もある。

 沖縄防衛局は護岸着工直前の今年2~4月にかけて大型特殊船ポセイドンで海底地質などを調査した。市民団体の分析によると、ポセイドンの調査地点の多くが、今回指摘された断層の延長線上と重なる。そこはV字型滑走路の先端部とも重なる。滑走路の先端部の地盤に何らかの問題がある可能性がある。

 沖縄防衛局は取材に対し「目立った活断層は確認されていない」とし、地盤の安全性についても「現時点で確定的なことは言えない」と述べるにとどめた。「安全だ」と断言しなかったことから、防衛局も工事海域の地盤について確証を持てずにいることが読み取れる。(仲井間郁江)