Ryukyufrogs9期生レポート 「今を壊せ。〜Create The Future~ 」
社会課題を解決するノウハウと技術、起業家精神を身に付けた「ハイブリッド人財」の育成をするプロジェクト「Ryukyufrogs」。選抜学生は約半年間、課題解決に向けての考え方や英語を学び、シリコンバレー研修などを通して自身のサービス案を構築します。
ことしのメンバー9期生はシリコンバレーで何を感じてきたのか、社会にどんなイノベーションを起こそうとしているのか、そしてどんな自分に成長していきたいと描いているのか。12月17日、成果発表会「LEAP DAY(リープデー)」の舞台に立つ7人の思いをご紹介します。
幼い頃からの夢を追い続けて
frogs史上最年少が宇宙へ挑む
宇宙×Tech
古石華子
(沖縄アミークスインターナショナル中学校1年)
―Ryukyufrogsの研修も終盤です。今、Ryukyufrogsに参加している時の自分は、どんな気持ちですか?
古石
1日24時間では足りないなと思います。
自分自身を、何も知らない本当に小さな存在に感じる時があります。中学1年の私には、まだ見たこともないことや知らないことが山のようにあり、世界は広いと日々痛感しながら活動しています。
選抜されて以降、沖縄での事前研修や夏のシリコンバレー研修を通し、たくさんの起業家や研究者の方との出会いがありました。そして、何でも言い合える、信頼できる7人の仲間との出会いがありました。このようなたくさんのすてきな出会いのチャンスを頂けたことに心から感謝しています。
12月のLEAP DAY(成果発表会)まで、粘り強く走り抜けたいです。
―Ryukyufrogsに参加しようと思った理由やきっかけを教えてください。
古石
宇宙ビジネスの拠点の一つであるシリコンバレーに行ってみたかったからです。私の目標は、宇宙飛行士になることと宇宙レストランを作ることだと小さい頃から言ってきました。最初はNASAやJAXAで働けるような人になろうと思っていました。
しかし最近、宇宙の仕事をするフィールドは、昔より広がっていると知りました。国の力に頼らずに自力で宇宙ビジネスの会社を作り、人工衛星やロケットを打ち上げ、宇宙旅行はもちろん、火星に人類を送ろうという起業家もいます。そんな宇宙ビジネスの世界の中心がアメリカ。
シリコンバレーでは、多くの宇宙ビジネスのピッチ(アイデアの披露、発表)が行われているとも聞きました。私も、もしかなうなら直接シリコンバレーに行って、新しいアイデアがどんどん生まれている空気に触れてみたいと思いました。
―シリコンバレー研修などを通して会った人のなかで、誰の生き方や話に刺激を受けましたか?どのように感じたのか教えてください。
古石
これまでの全ての研修を通し、お会いした起業家や研究者の方々皆さんに共通していると感じたことを話したいと思います。
それは「目の輝き」です。自分のやりたいことを真剣に、常に正直な気持ちで〝やり抜いている”人たちにしか出せない光り方をしています。物事を単に〝やる”のではなく、〝やり抜いている”人たちの目の輝きはこうなんだ、と私の目はくぎ付けになりました。
多分、苦労していることすら苦労とは全然思っていなくて、振り切っているんだと思います。
渡米前、オリオンビールの亀田さんから受けた研修で「努力は夢中に勝てない」という言葉を伺い、印象に残っていました。その言葉を、シリコンバレーに行ったときに思い出して、はっとなりました。
私も将来、今回出会った方々のような、キラキラした存在になれるよう、自分に正直に頑張っていこうと思いました。
それから、シンギュラリティ大学を訪問した際、偶然にも本物のアメリカ人女性宇宙飛行士の方が近くにいらして、少しだけだがお話しできました。その場で、ご本人の写真にサインをつけたものまで頂きました。思いがけないことでびっくりしたが、目標に近づけたように感じてうれしく思いました。写真は大切に持っています。
-研修を進めるなか、Ryukyufrogsに参加する自身の変化をどう感じていますか?
古石
研修を進めるうちに、将来に向け勉強すべきことについて、これまで以上に具体的に考えるようになりました。
理系科目の勉強は当たり前、それに加えさらに別の素養も要るのではないでしょうか。例えば、宇宙を目指すなら、大きなチームや会社として、場を和ませる、仲間といいコミュニケーションをとる能力も必要だし、計画を協力して動かしていくため、経営の知識や経験も必要ではないかと考えました。
また宇宙研究や開発の成果をできるだけ多くの世界中の人々と分かち合って役に立てるよう、情報を自分から発信していくことも、もっとやっていくべきではないかとも考えました。
勉強は当然頑張る、プラス、コミュ力、経営力、情報発信力。
Ryukyufrogsでいつも鍛えられています。自分に足りないものをもっと身に付けていきたいです。
―これから、どんな自分になりたいですか?
古石
今回Ryukyufrogsの活動を通して分かったことは、私はまだまだ知識も経験も乏しく、勉強不足だということです。特に、起業家や研究者の方々にリサーチを行っている時に一番感じます。
理系や経営の知識・経験も足りないので、相当勉強しなくてはならないし、時にはお話を伺いたくても全く相手にもしていただけないこともあります。とても悔しいです。
中学1年の私としては、スタートアップの精神は胸にしつつも、まず科学技術の言語が分かる理数系の科目をしっかり勉強し、経営の言語が分かるMBAの勉強にトライしてみたいです。
多くの方々との出会いも大切にしながら、本物の実力を付け、第一線で活躍している方々に“本当の仲間”として受け入れられるよう頑張りたいです。
会社設立も憧れるが、経験を積むためにも、まずは海外の最先端の宇宙ビジネス企業か研究機関に飛び込んでみたい。
そして全員を笑顔にしながら、成功に導いていけるリーダーに私はなりたいです。
―LEAP DAY では「宇宙×Tech」のサービス案を披露します。今開発中のサービスは社会にどんなイノベーションを起こしますか?そしてそのサービスに対する想いを教えてください
古石
宇宙という場所に普通の人が行くことが当たり前の時代がくるだろう。月、火星と、たくさんの人が宇宙に飛び出していく。そうなると必ず食べものの課題がクローズアップされてくると思います。
人は何か食べないと生きていけない。しかし、無酸素、無重力の宇宙空間では、地球の普段のスタイルのままで、当たり前のように食事を作って食べるという行為が、技術的に難しいことも多い。
今取り組んでいるサービスは、その点を解決していくことが目的で、必ず将来的なニーズがあると思います。
また、宇宙食の研究は、そのまま地球上の食の課題解決にも応用できます。世界の食糧難の問題、人々の高齢化に伴う健康問題、医療現場での栄養摂取、災害時の食料の確保など、さまざまな分野につながっています。宇宙での食事を考えることで、人類の食の概念そのものにイノベーションが起こせると信じています。
プロフィル
年齢 … 13歳 (選抜された当時は12歳だったのですが、13歳になりました)
興味・特技 … 小6の時英検1級に合格
好きな科目は理科と数学
好きなドラマはコウノドリ
劇のスクリプトやスライドを作るのが好き
植物の分類図を見ると機嫌がよくなる
サックスを吹くのが好き
将来の夢・目標 … 宇宙飛行士になること
古石華子さんが宇宙食について話を聞いた宇宙飛行士
Yvonne Darlene Cagleさん
5歳の頃、沖縄に住んでいたことがある。
宇宙での食事のことを想像してほしい。袋に小さな穴を開けて食べる赤ちゃんの食べ物のようなもの。食欲にも影響する。いつも同じ色、食感。しかし、無重力状態の宇宙では筋力なども落ちてしまう。栄養を採ることはとても大事。
ハワイに宇宙食の研究センターがある。宇宙飛行士になるための訓練で2年のうち、4カ月はそこで調理の練習をする。ぜひ、そこも調べてみて。
~ Ryukyufrogs LEAP DAY 2017 ~
「今を壊せ。Create the Future 」
◇開催日:2017年12月17日(日)
◇時間:午前10時半~午後6時(午前10時オープン)
◇場所:さわふじ未来ホール(沖縄県西原町字与那城140-1)
◇参加費用:学生は無料、ほか前売料金:¥2,000、当日料金:¥3,000(Peatixより、前売り購入ができます)
◇詳しい情報や事前申し込みは、Ryukyufrogs のLEAP DAY 2017特設サイトから