樹木倒れ擁壁崩落 県内各地に爪痕 台風22号通過


この記事を書いた人 大森 茂夫

 台風22号は28日、沖縄本島地方を暴風域に巻き込みながら北上した。県内各地で木をなぎ倒して道路の通行止めを引き起こし、農作物に被害を与えるなど爪痕を残した。那覇市楚辺では地域のシンボルとして親しまれたガジュマルも倒れ、住民から残念がる声が上がった。

台風22号の影響で高さ10メートル・幅20メートルにわたり崩落した住宅建設現場の擁壁=28日午前10時15分、沖縄市久保田

 「近所では有名で、目印になっていた木。こんなことになるとは」。28日午前、那覇市楚辺。上原久子さん(70)がぼうぜんと立ち尽くしていた。地域で長く愛されてきた大きなガジュマル2本が根元から倒れ、住宅のベランダに寄りかかるように横になっていた。

 近所に住む上原さんによると、ガジュマルは70年以上前からある。木陰で涼んだり、待ち合わせ場所になったりする地域のシンボルだった。木が倒れたのを知り、多くの住民らが様子を見に訪れた。「ガジュマルを見て育った人は多い。なくなってしまうのは寂しい」。上原さんは肩を落とした。

 森林が多い北部でも、倒木が道路をふさぐ光景が多く見られた。強い雨風が目立ち、大きな波が海岸沿いの道路まで到達する場面もあった。地元消防によると、名護市許田の国道58号を走っていた車両に波がかかり、フロントガラスに約30センチのひびが入った。

 北谷町では、観光スポットの観覧車が終日運行中止に。一時的に風が弱まった正午ごろには、急いで買い物を済ませてホテルに戻る観光客の姿も見られた。沖縄市久保田では、住宅建設現場の擁壁が高さ10メートル、幅20メートルにわたって崩落した。けが人はいない。

 糸満市や八重瀬町、豊見城市など南部では、ビニールハウスのビニールが風にあおられ、はがれかかっていた。2メートル近くにまで育った太いサトウキビは、午後の強い吹き返しの風で大きく曲がったり、途中で折れたりして無残な姿をさらしていた。

台風22号の影響で高さ10メートル・幅20メートルにわたり崩落した住宅建設現場の擁壁=28日午前10時15分、沖縄市久保田
台風22号が沖縄本島地方に再接近した28日午後0時半の気象レーダー(気象庁ホームページから)