辺野古埋め立て 年度内発注 防衛局、HPに計画公開 名護市長、知事選も意識か


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 沖縄防衛局が辺野古新基地建設の埋め立て工事を本年度内に発注する計画が28日までに分かった。防衛局は27日付で、ホームページ上の「2017年度発注予定工事」を更新し、「シュワブ埋め立て工事」と題する5件を掲載した。公告時期を第3四半期(10~12月)としているため年内に公告される見通し。埋め立て工事の発注は初となる。具体的な工事開始時期は記されていないが、年内に工事を公告することで、来年2月の名護市長選挙、秋にも予定されている県知事選挙をにらみ工事推進を世論に印象付ける狙いもあるとみられる。

 工事期間は25カ月。埋め立て承認願書ではK9護岸、A護岸、中仕切り岸壁Bで囲まれた大浦湾側の区域から埋め立てを始める計画になっている。

 現在、辺野古新基地予定地では護岸工事の前段階となる資材搬入用道路の工事が浅瀬で進んでいる。4月に着手したK9護岸は、予定の3分の1の長さの約100メートルで進捗(しんちょく)が止まっている。埋め立て工事には、区域を囲む護岸の完成が不可欠だが、K9護岸の完成やA護岸の着手時期は見通せない。今回の埋め立てに使用される土砂総量は174万立方メートルで、県産と記されている。

 辺野古新基地建設工事を監視する沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「辺野古ダム周辺から土砂を採取する計画だが、運搬方法のめども立っていない。早急な発注は、業社と契約を進め、知事が埋め立て承認を撤回した際に、損害賠償額を引き上げるためではないか」と国の思惑を分析した。