沖縄気象台は1日、10月の沖縄周辺海域の海面水温(速報値)が、記録が残る1982年以降、同月としては過去最高になったと発表した。先島諸島付近を含む沖縄の南の海域で、平年を1.2度上回る29.1度だった。7月以降、高い海水温が続いており、専門家からはサンゴの白化を懸念する声が上がっている。
同気象台によると、沖縄本島を含む東シナ海南部の平均海面水温は、平年を1.4度上回る27.3度。沖縄の南の海域と同様、10月の過去最高となった。
10月下旬は台風21号、22号の影響で海面水温も下がったものの、上旬、中旬はかなり高かった。気象台はその要因を「上旬は好天で日射量が多かった。中旬は南から暖かい空気が流れ込み、水温が下がりにくかった」と説明した。
昨年も記録的に高い海水温となり、サンゴ礁の白化現象が深刻となった。環境省石垣自然保護官事務所の藤田和也・上席自然保護官は「高い海水温が続いており、去年、生き残ったサンゴも白化した可能性が高い」と指摘。今月中に潜水調査を行うという。
また、気象台によると、沖縄地方の10月の平均気温は平年差プラス1.6度で、1946年以来、10月としては2番目に高かった。