沖縄県、振興へPT設置 次期振計へ課題抽出 年度内に中間報告


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 沖縄県は4日までに、2021年度に沖縄振興特別措置法(沖振法)の期限が切れることを踏まえ、それ以降も長期にわたり取り組むべき重要課題を抽出し、対応の方向性を定めるプロジェクトチーム(PT)を庁内に立ち上げた。具体的には那覇空港第2滑走路の整備後も残る運用過密問題への対応、鉄軌道の導入、税制優遇措置の内容検証などが想定されている。PTは17年度内に翁長雄志知事に中間報告を出し、18年度内に最終報告する日程で作業を進めている。

 PTは振興政策を統括する富川盛武副知事、財政専門家の池宮城秀正政策参与(明治大教授)、主要部長らで構成している。

 PTはまず、県がこれまで策定した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」や「アジア経済戦略構想」といった主な振興計画を洗い出し、重要課題を整理する。現行沖振法の期限以降を見据えた「申し送り事項」を固め、次期振興計画の策定に向けた具体的議論の土台としたい考え。

 県幹部によると、例えば観光業の重要インフラである那覇空港は過密運用が深刻化しており、第2滑走路の完成後も離着陸可能回数は現行の1・2倍程度にとどまる見通しだ。経済界が解決に向けた議論を本格化するなど「従来は想定されていなかった新たな課題」も出ている。アジア経済の拡大、外国人観光客の急増などの動向も踏まえ、振興施策の長期的な課題を再度抽出する。

 また主に沖振法に基づき導入されている主要施策の一つである「高率補助」方式について、将来的に同制度が廃止された場合の影響の精査や対応策も検討を進める。「早期に議論を進めておくことで、想定外に崖から落ちるような状況を避ける」(県幹部)考え。

 PTは酒税特別措置法などの各種税制優遇についても、一律的な優遇措置が好ましいのか、または「特区制度」のように一定の方向性に向けた内容変更が必要なのか―といった議論も進める。(島袋良太)