海運、来週半ばにも 辺野古新基地資材 奥、本部港から


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 【北部】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古に建設する新基地の護岸工事で、週明けにも石材の海上搬送で使う台船に砂利の搭載を始め、早ければ週の半ばから国頭村の奥港や本部港を出港して建設現場である大浦湾に輸送を始めることが10日、分かった。複数の関係者が明らかにした。本部港からは積載量2千トン規模の台船2隻が稼働し、1日約4千トンの石材が輸送されるとみられる。台船1隻に搭載される石材は、陸上輸送の際に使用していたダンプカー200台分以上にも相当し、海上輸送で大量搬送が可能になる。

 これまで石材は本部町と国頭村からシュワブまで、陸路で運ばれていた。1日当たり、ダンプカー223台が最多だった。台船2隻による海上輸送で、その数倍の石材が新基地建設現場に運ばれることになる。沖縄防衛局はK9護岸を利用し、海上からの石材搬入を予定している。

 一方、県はK9護岸の利用が実施設計の変更に当たるとし、工事の停止を求めている。ただ、県は9月、海上輸送に伴う奥港の岸壁と港湾施設用地の使用許可を出している。本部町は10月、本部港(塩川地区)の荷さばき地の使用許可を出した。

 平和市民連絡会の北上田毅さんや本部町島ぐるみ会議のメンバーらは9日、町役場や本部港管理事務所を訪れ、本部港を新基地建設のために使用させないよう求めた。北上田さんは本部港の岸壁使用許可申請が必要ないという町の姿勢について「条例上、あり得ない」と批判した。