【中城】10月に和歌山県の紀三井寺公園陸上競技場で開かれた第38回全日本マスターズ選手権大会で、沖縄県代表の儀間由紀美さん(45)=中城村=が200メートルW45女子の部で優勝した。記録の28秒06は県記録を21年ぶりに更新した。また100メートルW45女子の部では13秒37の県新記録で準優勝した。初の全国大会で栄冠をつかんだ儀間さんは「勝ち負けは関係ない。大会でたくさんの人に出会えたことがうれしい」と、競技を通して広がった交流を楽しんでいる。
学生時代はハンドボール部だった儀間さんが陸上を始めたのは2006年9月。中城村陸上競技大会に出場したことがきっかけだ。その大会で優勝した儀間さんは村代表として出場した中頭地区大会、県大会でも優勝し、陸上にのめり込んだ。
週に2度、仲間と練習をしている。陸上を始めて「自分が変わってきている」と語る儀間さん。「いっときの結果ではなく、それに至るまでの過程で出会う人を大切にしたい。今は家族から地域、職場、社会と大切なものが広がっている」と笑顔を見せる。
初出場の全国大会で出会った人たちも、儀間さんと同じように家庭を持ち、働きながら競技に打ち込む仲間たちだ。「県内で自分が一番頑張っていると思ったら、全国にはたくさんいて、それがうれしかった。自分より年上の人もいる。みんながかっこいいお手本だった」と刺激を受けたという。「90代になっても陸上を続けたい。そして今後は後進の育成をしたい」との思いから、1月に日本陸連公認ジュニアコーチの講習も受けた。
好きな言葉は「いちゃりばちょーでー」(出会えば兄弟)。全国大会では出会った人とたくさん記念写真を撮った。「(陸上には)すてきなものがあふれている」と語った。(安富智希)