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新報移動編集局 「中城ウイーク」

<島野菜の村へ・とよむ中城>上 島ニンジン 伝統の黄色、ブランドに

鮮やかな黄色に実った島ニンジンを見せる農家の新垣栄樹さん=8日、中城村和宇慶

 しまくとぅばで「チデークニ」(黄色い大根)と呼ばれ、沖縄の食卓を彩ってきた島ニンジン。県内で出荷されている島ニンジンの約6~7割が中城村産だ。しかし近年は、本来の黄色の島ニンジンに代わり、だいだい色の島ニンジンが市場を占めるようになっている。

 県農業研究センターの元所長で村の営農指導員の高江洲賢文さん(66)によると、もともと黄色い島ニンジンには、変種としてだいだい色の島ニンジンも育つことがあるという。しかし、黄色の島ニンジンは光を浴びると緑化し品質が低下しやすいことから、近年は比較的緑化しにくい、だいだい色の島ニンジンの流通が増加しているのが現状だ。農家もだいだい色の島ニンジンの種を選んで生産するようになり、村で収穫される島ニンジンのうち、伝統的な黄色は2割にまで落ち込んでいるという。

 「島ニンジンは本来黄色物」と指摘する高江洲さん。島野菜本来の風味を持つ黄色い島ニンジンの復活に向け、島野菜による地域おこしを目指す中城村は、伝統的な黄色の島ニンジンのブランド化に向けた取り組みを進めている。

 村は2015年から、琉球大学に研究を委託し、島ニンジンの種の選別法や営農方法の確立を目指している。県農業研究センターでは光を浴びても緑化しにくくなるフィルムの開発を進めており、ブランド化への成果も見えてきた。

 高江洲さんは「琉大とセンターの研究は、黄色い島ニンジンを復活させるための両輪だ」と期待を込める。農林水産課の島袋雄一係長は「黄色い食材は少なく、黄色の島ニンジンは市場でもニーズがある。流通が可能になれば、黄色い島ニンジンは復活する」と力を込めた。
(安富智希)