【アメリカ】ウチナーグチもっと 北米県人会 講座15年祝う


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ウチナーグチ講座15周年を祝う会に参加する元北米県人会長で講師の比嘉朝儀さん(前列中央)と生徒ら=5日、米カリフォルニア州ガーデナ市の北米沖縄県人会ヤマウチ・ビル

 2002年に、比嘉朝儀さんがウチナーグチを米国で広めようと北米県人会にウチナーグチ講座を開講してから、15年が経過した。5日、米カリフォルニア州ガーデナ市の県人会ヤマウチ・ビルで、15周年の節目を祝う会が行われた。

 2週間に1回、金曜日夜に開かれている講座には現在、25人の生徒が通っている。生徒はほとんどが2~4世で、1世は数少ない。年齢も様々だ。

 翁長雄志知事から祝辞が寄せられ、キティー・サンキーさんが代読した。祝辞は「『しまくとぅば』は沖縄文化の基礎をなすもので、大切な言葉です」と強調。また、昨年の「世界のウチナーンチュ大会」のイベント「しまくとぅば 語やびら世界大会」で比嘉さんらがユーモアを交えた流ちょうな語り口で大会を大いに盛り上げたとした。

 祝賀会では生徒12人が「なぜ今、ウチナーグチを」と題してスピーチをした。ミシェル・小西さんは米国人の父親と沖縄出身の母親との間に西原町で生まれた。19歳まで沖縄で育ったが、その後、カリフォルニアに移住した。今年の夏に帰沖した際に祖母から戦争の話を聞いたという小西さんは「沖縄のことをもっと知りたい。そのためにはウチナーグチを学びたいと思った」と報告した。

 ウチナーグチ講座の1年生から15年生までの式典に出席した17人全員に修了証書が授与された。15年生のジュリアン・イリーさんとハーバート・アサトさんには特別証書が手渡された。カリフォルニア州下院議員のアル・ムラツチさんからは「15周年記念」を祝して、長年にわたって沖縄文化の発展に尽力した比嘉さんに表彰状が贈られた。

 最後は比嘉さん得意の寸劇「島や中城 花ぬ伊舎堂」と題して、石原春雄さんなど琉球民謡協会の三線をバックに「芋の時代」や「中城情話」をモチーフにした時代歌劇に生徒全員が参加し、カチャーシーで幕を閉じた。

 比嘉さんのウチナーグチに対する情熱は限りない。日本語ラジオ番組で11年間、沖縄を紹介しているほか、日本語学校の理事長、北米県人会会長、南加県人会協議会会長などを歴任する傍ら、それらの機会を通して広くウチナーグチの必要性をアピールしている。南カリフォルニアで日系スピリット賞、日系パイオニア賞、在ロサンゼルス日本総領事賞、日本国外務大臣賞などを受賞した経歴を持つ。(当銘貞夫通信員)