観光客や大型商業施設などの増加に伴い、県内で発生する拾得物が過去10年、年々増加している。県警によると、2016年の拾得物は06年比で約6倍の14万8248件だった。16年は現金が1億7897万円、物品22万3091点の拾得物があった。拾得物対応で各署の一般職員の業務負担が増え、県警警務部は「(業務が)パンクし限界に来ている」と悲鳴を上げている。
拾得物が最も多い署は、沖縄の玄関口・那覇空港を管轄する豊見城署で、16年は06年比で約15倍の3万9146件となった。次に多いのは沖縄署の2万7482件、那覇署の2万5247件が続く。傘や衣類が多いという。
増加する外国人観光客の遺失届も年々増え、一般職員が通訳を介した受理や本国への送付手続きなど新たな業務負担が発生している。拾得物を県警ホームページに詳細に公開しているためデータの打ち込みに時間を要しているという。土日関係なく持ち込まれる拾得物への対応で、一般職員が休日出勤せざるを得ない状況となっている。
今後も観光客の増加が見込まれることから、県警は拾得物の対応などで18年度に職員26人の増員を県知事部局に求めている。