前文科省事務次官の前川喜平さん(62)が25日、沖縄県那覇市のフリースクール・珊瑚舎スコーレで講演した。前川さんは、フリースクールや夜間中学校に関する法律「教育機会確保法」について解説。集まった市民ら約100人の中にはメモを取る人も多く、熱心に耳を傾けていた。
前川さんは日本の学校について「個性や自主性を重んじる教育が進められてきたが、いまだに集団主義の文化が強い。なじめない子どもにとっては息苦しい状況だ」と指摘した。その上で「もっと柔軟な学校があってもいいと思う」と話した。
同法成立の意義について前川さんは、フリースクールを認めたことにあるとし「文部科学省は、これまで不登校の子どもを『学校に連れ戻す』という方針だったので、画期的なことだ」と強調した。「これからは(フリースクールの)財政的な面などが課題になってく
る。法律制定を機に、何ができるかを考える必要がある」とも述べた。
会場からは教育行政についての質問が相次いだ。琉球史やウチナーグチを学校で教えることについては「他科目の一部の時間を振り分け、新たな科目を作る特例制度を使えば可能だ」と答えた。