火災警報の設置進まず 沖縄県内住宅58%、全国最低 義務化も罰則なく


この記事を書いた人 大森 茂夫

 消防法で全ての住宅に取り付けが義務付けられている住宅用火災警報器について、2011~17年の沖縄県内設置率は全国平均を約10~20ポイント台下回る50~60%台で推移しており、15~17年は3年連続で全国ワーストとなっている。17年6月1日時点で、県内の設置率は、57・5%で全国の81・7%に比べ24・2ポイント低かった。罰則規定がないこともあり、古い住宅は設置が進まず設置率の低さにつながっている。県消防設備協会は「県内には、木造ではなく鉄筋コンクリート造りの住宅が多く、火災が起きにくいとの意識があるだろう」と指摘している。

 警報器の設置は11年6月までに全ての住宅で取り付けが義務化された。消防法による警報器の設置は原則として、寝室や寝室へ通じる階段に取り付ける必要がある。

 各市町村では火災予防条例で、台所などへの警報器の設置も定めている。各市町村の条例に適合している割合を示す条例適合率は、17年の県内は42・4%と全国より24・0ポイントも低かった。

 設置率の調査は、標本調査方法に基づき、各消防が抽出した家庭を訪問する方式で実施している。全戸調査ではなく、地域によって調査戸数にばらつきがあり、一定の誤差が生じるという。

 警報器は最低10年は持つように作られ、年数がたてば電池切れや故障で火災時に作動しない恐れもあるという。消防庁予防課は警報器設置を働き掛けるとともに「点検ボタンを押したり本体自体を交換したり、適切な維持管理が必要だ」と呼び掛けている。(金良孝矢)