【中国】上海で県内企業説明会 日本人留学生、ビジネス講座や交流も


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県内企業と中国在住の日本人留学生との交流会。県内企業の担当者の話を熱心に聞いたり、質問したりする留学生ら(右)=中国・上海黄浦区

 沖縄県内の企業と中国在住の日本人留学生との交流会が18日、中国上海の中心地である黄浦区の華盛ビルで開催された。交流会を企画したのは大城哲辞県人会会長。就職活動に向けて県内企業の情報が欲しい県出身の学生と、国際的な人材を求めている県内企業の“橋渡し”を沖縄産業振興公社上海事務所と共同で行った。

 交流会は2部構成で行われた。午前の部では、ビジネスマナー講座が開かれ、留学生らは「日本式」のあいさつの仕方や社会人としての心得などを学んだ。中国で起業している沖縄出身の起業家による中国ビジネスセミナーも開かれた。外国語を話すことができる国際人材としての意義や社会人として求められる資質など、学生にとっては貴重な経験談が聞ける機会となった。

 午後の部では、県内企業と留学生との交流会が行われた。交流会に参加した上海外国語大学4年生の玉城英美理さんは「日本に帰って就職しようとしても、中国と日本とでは新学期の始まる時期が違うので、簡単に日本の就職説明会には参加できない。それに海外からはいい情報がなかなか得られない」と話し、日本企業を対象にした就活の厳しさを強調した。その上で「交流会参加で、企業名だけでは分からなかった企業の特色や海外事業部があることなど、いろいろ知ることができた。今後もこのような交流会を開催してほしい」と要望した。

 一方、参加企業でブライダル企業を支援するバリューブリッジの翁長良晴社長は「沖縄の企業、特にインバウンド(外国人訪日客)系の企業は深刻な人材不足に陥っている。そんな中、企業側としては交流会開催は大変、喜ばしい。1回限りではなく、ぜひ、来年、再来年と続けてほしい」と語り、交流会が継続的に開催できる仕組みを構築する必要性を強調した。

 大城県人会長は「中国に留学している学生にとって、留学の経験を生かして沖縄に就職しようとしても、沖縄企業の情報が乏しく、どのように連絡を取ったらいいのか分からないとの声が上がる。企業側からも、増加する中華圏からの旅行者をおもてなしできる中国語のできる人材は、のどから手が出るほど欲しい、との要望がある。県人会として何かできないかと考えて、交流会を企画した」と交流会の意義を語った。(小谷良太通信員)