「海の命残したい」 米ジュゴン訴訟原告団、辺野古視察で強調


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座り込みをしている島袋文子さん(手前左)と握手する米生物多様性センターのピーター・ガルビンさん=30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を巡り、新基地建設が国指定天然記念物のジュゴンに影響を与えるとして、工事の中止を求めている米ジュゴン訴訟の原告団が30日、辺野古を訪れた。米軍キャンプ・シュワブのゲート前で座り込みをする市民に連帯を誓った。グラスボートで新基地建設予定海域のサンゴ礁や海草藻場を視察し「生物多様性が豊かだ」と指摘した。

 原告団は日米の市民や自然保護団体「米生物多様性センター」などで構成している。同センター創設者のピーター・ガルビンさん(53)は米国防総省が今後、米国家歴史保存法(米文化財保護法、NHPA)に基づき行う利害関係者との協議の時期や内容について、情報公開請求などを通して明らかにしたい考えを示した。原告団も独自に利害関係者への聞き取り・協議を行い、米国防総省による協議が適切か検証する。

 ガルビンさんは海上視察後、「健全で多くの種類のサンゴが生息している。反対する人々の気持ちがよく分かった。(沖縄周辺の)海草藻場は昔と比較すると減少している。海の命の源である藻場を残すことは重要だ」と強調した。

 ゲート前ではガルビンさんは「私の夢は辺野古でジュゴンと一緒に泳ぎ、その時にはキャンプ・シュワブがなくなっていることだ。沖縄の平和的な人々が米軍に弾圧されているのは悲しい。米国に戻ったら基地を造らせない努力を2倍にして闘う。私たちは諦めない」と語り、大きな拍手を受けた。

 原告団メンバーで米国の先住民であるマーティ・ワイヤ・ロチャさん(61)は座り込みをする市民のために自身の部族の形式で祈りをささげた。