翁長知事「辺野古断念を」 要望に回答せず 外相初来県


この記事を書いた人 大森 茂夫
就任後初来県の河野太郎外相(左)と会談する翁長雄志知事=2日午後、県庁

 河野太郎外相は2日、就任後初めて翁長雄志知事やローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官、沖縄経済同友会や県内の一部市長らとそれぞれ会談した。翁長知事は「日米地位協定は、政府は抜本的見直しに向けて取り組んでいただく必要がある。県民の理解が得られない辺野古新基地建設を断念していただきたい」と求めた。河野外相は辺野古新基地には直接言及せず、地位協定改定は閣外時代に勉強したとし「難しさ、必要性、提案に米側がどう出るかもよく分かっているつもり。運用改善だとしかられるかもしれないが、どんなやり方でも改善できることはしていきたい」と述べるにとどめたという。

 翁長知事は、米軍機の相次ぐ墜落や1日に判決が出た米軍属女性暴行殺人事件など米軍関係の事件事故も具体的に挙げて負担軽減を求め、14項目の要請書を手渡した。

 翁長知事は「日米地位協定について県は、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善では不十分だと考えている」と指摘した。辺野古新基地建設については「反対の民意は一連の選挙でも示されている。大浦湾を埋め立てるのは許されない」と述べた。また、米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止実現も求めた。

 河野外相は会談で「日米同盟の抑止力、対処力を高めることと、地元の負担軽減は両方しっかりやり遂げなければならない。ぜひ知事としっかりコミュニケーションを取って頑張っていきたい」と応じた。

 会見で河野外相は、ニコルソン氏との会談内容について「北朝鮮の危機の状況の中で、日米同盟の抑止力強化と同時に地元の負担軽減が大切で、しっかり意見交換していこうと申し上げた」と説明した。米軍の訓練通知は直前ではなく、調整期間を設けて行うよう求めたことも述べた。

 各会談は冒頭のやりとり以外は非公開だった。