【アメリカ】県系サンキさんに叙勲 旭日双光章 曽祖父に続く受章


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
千葉明総領事(右)から旭日双光章の位記・勲章を手渡されるキティ・サンキさん=11月29日、米カリフォルニア州の在ロサンゼルス日本総領事公邸

 日本政府は11月3日付で2017年秋の叙勲受章者を発表し、旭日双光章に県系人のキティ・サンキ(山城)さん(70)が選ばれた。日系人の地位向上と日米の友好親善に貢献したことが評価された。同29日、米カリフォルニア州の在ロサンゼルス日本総領事公邸で勲章伝達式が開かれ、千葉明総領事から位記・勲章が手渡された。伝達式には家族や北米沖縄県人会の関係者ら45人が出席し、サンキさんの受章を祝った。ロサンゼルス区域の県系人の叙勲受章者は少なく、喜びに沸いている。

 サンキさんは「両親をはじめ、曽祖父の仲村権五郎、祖父の山城正雄、山城春雄、そして友人など多くの方々の支えがあって、今日の晴れの日を迎えることができた」と感謝した。

 サンキさんは東京生まれの県系3世。両親は沖縄出身だ。沖縄のクバサキ高校を卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で学士号を取得。2009年の退職までロサンゼルス統一学校区で教員を務めた。南加日系商工会議所、南加日系婦人会、日系米国人市民同盟ダウンタウンロサンゼルス支部など主要な日系団体で精力的に活動。日米の友好・親善に力を注ぎ、日系人と在留邦人の絶大な信頼を得ている。県人会では奨学資金部で奨学生選出などを行う。

 元北米沖縄県人会長の比嘉朝儀さんはキティさんの受章について「活躍は前から知っていたので、『叙勲おめでとう』と激励したい。自分が叙勲したようでうれしい」と語った。

 県系人の叙勲者は分かっているだけで、戦後の初代北米沖縄県人会長の比嘉朝信さん、サンキさんの曽祖父にあたる弁護士の仲村権五郎さん、琉球古典音楽の宮城栄吉さん、琉球箏の中谷夏子さんら。(当銘貞夫通信員)

叙勲伝達式に参列した人たちとキティ・サンキさん(前列左から5人目)