大手産廃業の不法投棄 土壌調査へ 沖縄県、年内にも


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
産業廃棄物が積み上げられてできた「ごみ山」(後方)=11月、沖縄県沖縄市池原

 系列会社の敷地内に不法投棄したとして沖縄県が倉敷環境(沖縄県沖縄市池原、南裕次社長)の産業廃棄物処理業などの許可を取り消した問題で、沖縄県が年内にも不法投棄跡地の土壌汚染調査を実施することが10日までに、分かった。倉敷環境は指摘を受け不法投棄ごみを自主的に撤去したと報告しているが、県は実際の現場を確認していない。県の担当者は「全て撤去されているのか、また土壌汚染がないか詳細に確認する必要がある」としている。

 倉敷環境は2015年ごろから、社内の敷地に処理されず積み上げられている「ごみ山」の一部をフレコンバッグに詰め、約800メートル離れた市登川にある系列会社「環境ソリューション」の敷地内に放置していた。燃え殻や混合廃棄物が詰まったフレコンバッグの一部は経年劣化のため破れていたため、土壌中に有害物質が付着浸透した可能性が残る。県の担当者は「これまで同社周辺の地下水から環境基準値を上回るヒ素なども出ている。危機管理の観点からも綿密な調査が必須だ」と述べた。

 県は、来年1月下旬から2月上旬に倉敷環境を巡る諸問題について協議する7者協議会(倉敷環境、県、沖縄市、周辺3自治会、倉敷ダム流域振興促進協議会)を開催する。同社の許可取り消し以降、初の開催となる。

 23年1月末までに撤去することで合意したごみ山の処理計画や地下水汚染防止対策など、今後の対応について協議する。現時点で同社は地元住民への説明会を開いていない。協議会の関係者からは「(倉敷環境の)社長自らがわれわれの質問や今後の対応について丁寧に説明するべきだ」との声が上がっている。