故郷の味、調理も体験 読谷・古堅中 給食に楚辺ポーポー


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楚辺ポーポーを作る生徒=4日、読谷村伊良皆の古堅中学校

 【読谷】沖縄県読谷村楚辺で昔から受け継がれている楚辺(すび)ポーポーが4日、読谷村伊良皆の古堅中学校の給食で振る舞われた。調理の実演や体験もあり、子どもたちは「素朴でおいしい」「初めて作った」などと口々に話しながら、楽しい給食時間を過ごした。地域の伝統料理に親しみを感じ、沖縄料理について学びを深めようと、松田優子栄養教諭と古堅調理場の翁長功二調理員らが企画した。

 生徒は普段よりも早く給食を食べ終え、調理員が作った出来立ての楚辺ポーポーを食べようと長蛇の列ができ、全員がポーポーをお代わりするなどおいしそうに頬張っていた。また約10人の生徒が調理員の指導でポーポー作りに挑戦した。

 給食時間の校内放送では「小麦粉やベーキングパウダーを使う」「以前はアブシバレーの時期に食べられていた」など、楚辺ポーポーの作り方や由来が紹介された。

長蛇の列になって楚辺ポーポーをお代わりする生徒=4日、読谷村伊良皆の古堅中学校

 松田教諭は「食育の一環として、ただ給食を食べるだけでなく、地域のことを知り、健康を考える機会にしたいと思って企画した」と話した。翁長調理員は「楚辺が発祥なのにポーポーを知らない子どもたちも多い。郷土料理なので、実践を通して興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。

 初めて楚辺ポーポーを作った播磨和さん(14)は「自分で作ったポーポーは温かくておいしかった。家でも作れるように頑張りたい」と意欲を見せた。