故郷で宙に舞う 木下大サーカス 今村さん北中城出身 夢の舞台に


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オープニングショーで登場する今村翔さん=10月、熊本県嘉島町(具志堅千恵子撮影)

 大好きな地元で、憧れの演目デビューを果たせるか―。15日開幕した木下大サーカス沖縄公演に出演している北中城村出身の今村翔さん(24)は、体操で培った抜群の身体能力を生かし、アクロバットな技で観客を魅了している。サーカスの華・空中ブランコへの出演を熱望し「沖縄で初披露できたら、一番の恩返しになる」とやる気をみなぎらせる。

 親の勧めで4歳から体操を始めた。もともとは床や跳馬に自信があったが、足の骨折があり、九州共立大在学中は平行棒を得意とした。世界選手権に出場した安里圭亮選手とは保育園から一緒で、興南高では共にインターハイに出場した。

 選手生活はけがに悩まされ続けた。卒業後は医療系の仕事を検討したが、大学2年の終わりに木下大サーカス福岡公演を観賞し、迫力あるステージに引き込まれた。「今までの経験を生かして、夢を与えられる」。公演が終わると、その足で事務所を尋ねた。

 入社2年目の現在は、オープニングや跳び箱を使ったコミック芸「スーパーキャッツ」に出演する。憧れの空中ブランコを指導する高岡由侑さんは「体幹が強く、感覚も良い。けがさえしなければ、将来的には空中ブランコのトップになれる」と太鼓判を押す。

 「一つ一つの練習を大切にして、沖縄の人に見てもらいたい」と今村さん。故郷のステージで宙に舞う日を目指す。(前森智香子)