石材、海上から搬入 2度目、市民100人抗議 新基地建設


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本部港から海上輸送された石材はダンプカーに積まれ米軍キャンプ・シュワブに搬入された=16日午後1時ごろ、名護市辺野古(花城太撮影)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は16日、本部町の本部港(塩川地区)で運搬船に積み込んだ石材を海上輸送し、辺野古崎北側の「K9護岸」に海上から搬入した。石材の海上輸送は、11月の奥港に続いて2カ所目。強硬な姿勢で工事の加速を狙う政府に対し、反対する市民からは「海の命を奪わないで」「納得いかない」などと批判が相次いだ。

 本部港で15日、大型トラック120台分以上の石材が台船に積み込まれた。石材は運搬船に積み替えられ同日午後、本部港を離れて辺野古に向かった。

 16日午前9時ごろ、辺野古沖にその運搬船が姿を現した。市民らは、海上保安庁のボートに阻まれながらも「いっしょに海を守ろう」などと書いたプラカードを示しながら「作業船(運搬船)は帰って」「海を壊さないで」と訴えた。

 運搬船はK9護岸の近くに停泊していた台船に横付けした。その後、運搬船のクレーンで、石材を台船上に次々と積み替えていった。午後1時すぎ、着岸した台船にダンプカーが乗り込み、石材を米軍キャンプ・シュワブに搬入した。

 キャンプ・シュワブのゲート前では、朝から市民ら約100人が座り込み、資材の海上輸送に抗議した。西原町の男性(47)は「政府は新基地建設の既成事実をつくることに必死だ。沖縄の民意を無視している」と憤った。

 一方、辺野古の新基地建設に反対する活動を10年以上続けていた男性が11日に病気で他界したことから、男性の追悼式が16日、辺野古の海上で行われた。