社会

茨城語り部 鎮魂の三線 鳥羽さん親子訪問、演奏

 未来を断たれた少女らの魂に、恒久平和を誓いたい-。茨城県鹿嶋市を中心に戦争の語り部として活動する鳥羽広樹さん(40)と母・千津子さん(63)が12月18日、沖縄県糸満市の白梅の塔を訪れ、独学で学んだ三線で県立第二高等女学校の校歌を奏でた。中山きくさん(89)ら元白梅学徒隊の生存者が音色に合わせて歌い、若くして命尽きた旧友らに鎮魂の祈りをささげた。


鳥羽広樹さん(左端)の三線に合わせ校歌を歌う千津子さん(左から2人目)と白梅同窓会の会員ら=12月18日、糸満市の白梅の塔

 鳥羽さん親子は凄惨(せいさん)な戦争を二度と繰り返さぬよう歴史を語り継ぐ「鹿嶋物語を語る会」に所属している。今年の慰霊の日に中山さんら白梅同窓会がまとめた「平和への道しるべ 白梅学徒看護隊の記録」の中から、過酷を極めた野戦病院での勤務や、友や肉親を失った戦争への思いを読み上げたことがきっかけで、中山さんとの文通が始まり、今回の鎮魂式が実現した。

 鳥羽さんは「全国の人に沖縄戦を考えてもらう契機となれば」との思いから三線の腕を磨き、第二高等女学校の校歌の工工四(三線音楽の楽譜)を作った。戦争の記憶が薄れ、日本が再び戦争ができる国へと向かっている現状に強い危機感を示し「語り継ぐことで後世に平和をつなぎたい」と訴えた。

 中山さんは「沖縄を思う鳥羽さんの優しさやお気持ちに感激した。素晴らしい演奏だった」と感極まった様子だった。

 元看護隊の武村豊さん(88)もこみ上げる涙をこらえながら校歌を歌った。武村さんは「青春時代を奪われた旧友を思うと今でも胸が痛む。何があっても二度と戦争を起こしてはならない」と述べ、不戦の誓いを新たにした。