全日本レスリング 屋比久、金城が4強進出


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
男子グレコローマン77キロ級準々決勝 相手を持ち上げ、投げ技を決める屋比久翔平(赤)=22日、東京都の駒沢体育館(屋嘉部長将撮影)

 レスリングの全日本選手権第3日は22日、東京・駒沢体育館で男女の計10階級の決勝などが行われ、男子グレコローマン77キロ級の屋比久翔平(浦添工高―日体大―同大学院、ALSOK)と男子フリースタイル65キロ級の金城希龍(浦添工高―国士舘大―自衛隊体育学校)が23日の準決勝へ進出した。男子フリー57キロ級の大城一晟(浦添工高―国士舘大)は準々決勝、女子50キロ級の與那嶺優里(今帰仁中―東京・安部学院高―大分・日本文理大)は1回戦で敗退した。

◆屋比久、3連覇へ「課題見えた」

 旧階級を含め3連覇が懸かる男子グレコローマン77キロ級第1シードの屋比久翔平(浦添工高―日体大―同大学院、ALSOK)。初戦の準々決勝はテクニカルフォールで勝負を決め、準決勝へ駒を進めた。順当な勝ち上がりにも、「まだまだ直していかないといけない課題が見えた」と言葉は厳しかった。

 準々決勝の序盤から攻め続けた屋比久は、現在練習中のがぶり返しで先制。その後もバックを取ったり、投げ技を決めたりし、テクニカルフォール勝ちを決める。がぶり返しが決まった一方、がぶり返しを決めた後に相手にバックを取られて失点したり、グラウンド状態から4点取れなかったりするなど、課題も見えた。「国内では圧倒的に勝たないといけないのに2点も取られてしまった」と悔しさをにじませた。

 2020年東京五輪に向け、新階級や試合方式、当日計量など新ルールが適用された。減量も、これまでのように水分を抜くことだけに頼らず、学んできた栄養学の知識から、脂質を取らないよう食事制限するなど試行錯誤している。

 準決勝からさらなる強敵との戦いになるが「誰が来てもしっかり勝つ。勝つ自信はある」と力強く勝利宣言した。(屋嘉部長将)

◆金城、手足の長さ生かす

 男子フリー65キロ級で準決勝進出を決めた金城希龍(浦添工高―国士舘大―自衛隊体育学校)。全日本選手権で初の4強入りに「ここまで来たら一番上を目指したい」と力強いまなざしで語った。

 ルール変更となった当日計量にも対応した。しかし体が動けるか不安になり、初戦の2回戦では相手の出方を見てしまい第1ピリオド(P)はリードされる。 第2Pは気持ちを切り替え、動きを活発化させた。長い手足を生かしたタックルで攻め込み、得点を積み重ね逆転で勝利した。準々決勝は相手の棄権で準決勝進出を決めた。

 高校、大学、そして現在所属する自衛隊体育学校までずっと一緒で、1つ後輩の志喜屋正明が21日に準優勝したことに刺激を受けた。

 「流れは自分に来ている。1戦1戦チャレンジして、きょうのタックルを最初から全力で出したい」と意気込でいる。