障がい者と家族描く 沖縄芝居「演」12日上演


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「ランタナの花の咲く頃に」の稽古をする出演者=12月29日、那覇市の稽古場

 障がい者とその家族の愛情を描いた沖縄芝居「ランタナの花の咲く頃に」(長堂英吉原作、島正廣脚本)が12日午後7時から浦添市の国立劇場おきなわで上演される。「沖縄芝居『演』」の吉田妙子代表は「芝居を通して、もっと温かな社会になればうれしい」と話している。

 吉田代表は「1993年の初演当時は今より障がい者に目が行き届いていなかった」と振り返る。芝居を見たある観客は「障がいのある息子を恥じていた。勇気をもらった」と語り、積極的に息子を人前に出すようになったという。

 物語の主人公春夫は左半身と目が不自由だが、結婚して家庭を持ちたいと願っている。母や叔父らはその夢をかなえようと奔走する。ある日、「結婚してもいい」という女性が現れるが…。出演は高宮城実人さん、安次嶺利美さん、安次嶺正美さんら。

 琉球リハビリテーション学院の学生も授業として観劇する予定。お年寄りと接する機会が多い介護福祉士を目指す学生たちに、うちなーぐちに親しんでもらいたいと観劇を提案した。前日のリハーサルには障がい者らを無料招待する。

 公演は伝統芸能の若手を育成する「かりゆし芸能公演」(県文化振興会主催)の一つ。前売り券は一般2500円、高校生以下1500円。問い合わせは事務局(吉田真和)(電話)080(2717)0499。

※注:高宮城実人さんの「高」は旧字体