名護市長選 投開票まで1ヵ月 年明け、前哨戦に熱


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 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題が最大の争点になる名護市長選挙は、2月4日の投開票まで1カ月となった。3選を目指す現職の稲嶺進氏(72)=社民、共産、社大、自由、民進推薦=と、前市議で新人の渡具知武豊氏(56)=自民、公明推薦=が出馬を表明しており、一騎打ちの構図となる。両陣営とも年末年始も休むことなく地域回りや市街地での手ぶりを行った。支持拡大と地盤固めを目指し、前哨戦が熱を帯びている。(’18名護市長選取材班)

 稲嶺氏は1、2期目と同様に辺野古移設阻止を前面に掲げている。「(市長選は)名護だけでなく沖縄県の将来をも決めてしまうような大きな意義を持つ」と訴える。公務が休みになる年末年始は手ぶりや地域回りに奔走した。陣営関係者は「本人がいると手を振り返す人が多いのを実感する。人気は高い」と話す。

 渡具知氏は稲嶺市政の評価を市民に問い、市政刷新を訴えている。辺野古問題について「これまでの経緯や国と県が係争中であることに鑑み、その動向を注視する」とし、是非は明確にしていない。年末年始は市街地での手ぶりを重点的に行った。渡具知氏は「市政を変えてほしいと声を掛けられることが増えた」と語る。

 前回市長選では自主投票とした公明党が渡具知氏を推薦したことで自公勢力対「オール沖縄」勢力の対決構図が鮮明になった。

 12月29日、稲嶺氏を支援する県議会与党3会派と保守・中道系市町村議の政策集団「新しい風・にぬふぁぶし」は市内で緊急会合を開いた。登壇した議員らは公明党の渡具知氏推薦決定や政府による全面支援を挙げ、「このままでは危ない」と相次いで指摘し、陣営の引き締めを図った。

 自民党本部は党幹部を相次いで名護入りさせ、支援を本格化させている。29日に名護入りした菅義偉官房長官は地元経済界や北部町村の首長らと会談し、渡具知氏への全面支援と北部振興の充実を強調した。4日には二階敏博幹事長なども来県する予定で、さらなるてこ入れを図る。